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胡蝶蘭のプロ視点

蘭には無限の可能性が秘められています。 先ず、蘭科植物とは地球上最後に誕生した植物と言われながら、最先端の進化を遂げている植物と言われています。 それは進化の過程で身に付けた植物の知恵であり、永い年月を費やして得た特殊能力でもあります。

その中の１つに、CAM型光合成という植物では珍しい光合成形態を有しており、 亜熱帯の気候でも乾燥に耐えられるように進化してきました。 通常の植物が昼間に気孔を開けて酸素を放出するのに対し、蘭科植物は涼しい夜間に酸素放出を行います。 それは気孔を開けた際に、暑い日中だと体内の水分量が失われる為、なるべく涼しい夜間に行うように進化したと言われています。 つまり蘭科植物は数万年、数十万年の歳月をかけて、自身の保湿性を最大限高める能力を身につけてきたという事です。

また、主な自然交配の要因となるシタバチを呼び寄せるため、蘭にはシネオールという希少な成分が多く含まれており、これは人類にとっても希少な成分です。 蘭科植物の中には100年生きる種族もおり、他の植物よりも生命力が比較的高く、 胡蝶蘭の花持ちの良さや毎年花を咲かせる生命力は、多くの神秘に包まれています。

蘭科植物は被子植物の中で最も種類が多い植物であり、 多くの種を残してきた歴史を見れば、胡蝶蘭は高い生命力や 高い保湿力を身につけることによって、過酷な生存競争に生き残ってきたのでしょう。

私達は数万年の進化をかけて精製されてきた蘭の抽出液に、 人の手では作り出せない自然の恩恵を感じることができるのです。