マイトファジーとは?

Mitochondria Journal 03

Cell
Cleaning.

マイトファジーとは?

古くなったミトコンドリアを取り除く「細胞の掃除システム」

ミトコンドリアも永久に働き続けられるわけではありません。加齢や紫外線、酸化ストレスなどの影響を受けると、傷ついたミトコンドリアが増えていきます。そこで重要になるのが、不要なミトコンドリアを選んで取り除く「マイトファジー」です。

細胞内で傷ついたミトコンドリアを取り除くマイトファジーをイメージしたメインビジュアル

News Topics

この記事で分かること

マイトファジーとは何か、加齢によってその働きが低下すると何が起こるのか、異常なミトコンドリアと活性酸素の悪循環、さらに肌の乾燥やバリア機能との関係を解説します。

Mitochondria
Need Renewal.

ミトコンドリアも、年齢とともに老化します。

前回の記事では、ミトコンドリアが細胞へエネルギーを供給し、肌のバリア機能や細胞活動を支えていることをご紹介しました。

しかし、ミトコンドリアも永久に働き続けられるわけではありません。

加齢や紫外線、酸化ストレスなどの影響を受けると、ミトコンドリアの機能は少しずつ低下し、傷ついたミトコンドリアが増えていきます。

このようなミトコンドリアが細胞内に残り続けると、エネルギーを十分に作れないだけでなく、活性酸素を過剰に発生させ、周囲の細胞にも影響を及ぼします。

そこで重要になるのが、傷ついたミトコンドリアを選んで取り除く「マイトファジー」です。

01

Mitophagy

Quality
Control.

マイトファジーとは?

マイトファジーとは、機能が低下したミトコンドリアだけを選んで分解・除去する仕組みです。

細胞は常にミトコンドリアの状態を確認し、正常に働いているものは残し、機能が低下したものだけを取り除いています。

不要なミトコンドリアが除去されることで、新しいミトコンドリアへ入れ替わりやすい環境が保たれています。

つまりマイトファジーは、ミトコンドリアの「量」ではなく、「質」を維持するための仕組みです。

傷ついたミトコンドリアがマイトファジーによって除去され、新しいミトコンドリアへ入れ替わる流れを示した図

01

正常なミトコンドリア

細胞内でエネルギーを作っています。

02

一部が傷つく

加齢や紫外線などの影響を受けます。

03

マイトファジー

機能が低下したものを選びます。

04

異常なものを除去

傷ついたミトコンドリアを分解します。

05

質を維持

細胞機能を保ちやすくします。

Aging

Declining
Cleanup.

加齢によって、マイトファジーは低下すると考えられています。

マイトファジーは、一生同じように働くわけではありません。

詳しい仕組みは現在も研究が進められている段階ですが、加齢とともにその働きは少しずつ低下すると考えられています。

マイトファジーが十分に働かなくなると、異常なミトコンドリアが細胞内に蓄積しやすくなります。

Oxidative Stress

A Vicious
Cycle.

異常なミトコンドリアが増えると、悪循環が始まります。

機能が低下したミトコンドリアは、十分なエネルギーを作れないだけではありません。

活性酸素を過剰に発生させることで、周囲の細胞や正常なミトコンドリアにも負担をかけます。

この活性酸素は、正常なミトコンドリアのDNA、細胞内のタンパク質、細胞膜などを傷つけ、さらにミトコンドリアの機能低下を招きます。

異常なミトコンドリアが、新たな異常なミトコンドリアを生み出す悪循環につながるのです。

01

異常なミトコンドリア

機能が低下した状態です。

02

活性酸素が増える

酸化ストレスが起こりやすくなります。

03

正常なものも傷つく

DNAやタンパク質などへ負担がかかります。

04

異常がさらに増える

機能低下が連鎖しやすくなります。

05

細胞機能が低下

エネルギー産生や修復に影響します。

異常なミトコンドリアが活性酸素を増やし、正常なミトコンドリアも傷つける悪循環を示した図

04

Skin Aging

Skin
Impact.

マイトファジーの低下は、肌にもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。

研究では、マイトファジーが低下した状態において、表皮ではセラミド合成酵素に関わる遺伝子の発現が低下し、真皮ではヒアルロン酸合成酵素に関わる遺伝子の発現が低下することが確認されています。

その結果、肌本来の機能にも影響を及ぼす可能性があります。

  • バリア機能が低下しやすくなる
  • 肌が乾燥しやすくなる
  • 水分を保持しにくくなる

さらに、異常なミトコンドリアから発生する活性酸素は炎症を引き起こし、細胞老化を促進する一因になると考えられています。

マイトファジー低下によって異常なミトコンドリアと活性酸素が増え、肌機能へ影響する流れを示した図

マイトファジーの低下は、乾燥やバリア機能の低下だけでなく、炎症や細胞老化とも関係すると考えられています。

05

Summary

Quality
Matters.

大切なのは、ミトコンドリアの数ではなく「質」です。

ミトコンドリアは、数が多ければ良いというわけではありません。

大切なのは、機能が低下したミトコンドリアを適切に取り除き、健康なミトコンドリアへ入れ替えることです。

その役割を担っているのがマイトファジーです。

加齢によってマイトファジーの働きが低下すると、異常なミトコンドリアが蓄積し、活性酸素や炎症が増えることで、肌の乾燥やバリア機能の低下、さらには細胞老化にもつながる可能性があります。

ミトコンドリアの質を維持することは、健やかな肌を保つための重要な土台です。

Frequently
Asked Questions.

よくある質問

マイトファジーとオートファジーは同じですか?

マイトファジーは、オートファジーの一種です。オートファジーが細胞内の不要な物質を分解する仕組みであるのに対し、マイトファジーは主に傷ついたミトコンドリアを選んで除去します。

マイトファジーは加齢で完全に止まりますか?

完全に止まるとは限りませんが、加齢とともに働きが低下すると考えられています。詳しい仕組みについては現在も研究が進められています。

異常なミトコンドリアが増えると、なぜ活性酸素も増えるのですか?

機能が低下したミトコンドリアでは、エネルギーを作る過程がうまく進みにくくなり、活性酸素が過剰に発生しやすくなるためです。

化粧品でマイトファジーを改善できますか?

化粧品によってマイトファジーを治療したり、回復させたりできるとはいえません。本記事は、細胞と肌の関係を理解するための一般的な情報を紹介しています。

Next
Journal.

ミトコンドリアの質を守るために、毎日の生活でできることは何でしょうか。

次章では、紫外線対策、活性酸素を増やさない生活習慣、適度な運動、ミトコンドリアを健やかに保つための考え方など、今日から実践できるポイントを分かりやすくご紹介します。

Healthy
Mitochondria.

ミトコンドリアを健やかに保つ、
毎日の生活習慣とは?

次章では、紫外線対策、活性酸素を増やさない生活習慣、適度な運動など、今日から取り入れやすいポイントを紹介します。

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